コモンセージ(ヤクヨウサルビア)
昨秋、種を蒔いたコモンセージが、随分しっかりしてきました。和名では、ヤクヨウサルビアといいます。
和名のヤクヨウサルビアからわかるように、花壇で栽培されるサルビアの仲間です。
サルビアには大変多くの種類がありますが、その中でも、薬用・料理用として使うことができ種類は、コモンセージと呼ばれるこの種類です。
大変紛らわしいのですが市場では、ガーデンセージの名前で販売されていることがありますが、同じものなのです。単にセージという場合はこの種類を指しています。薬用・料理用として購入される場合は、名札に英名でCommon Sage またはSalvia officinalisと記載されているかどうか確認されると良いでしょう。
かねがね感じていることですが、コモンセージと表記されていたり、別の所ではガーデンセージの名で売られていたりするように、販売店によって植物の呼び名が異なっているのは、大変紛らわしいことです。何とか統一できないものなのでしょうか。
生長すると高さは50~70cmほどになり、5月頃から紫色の唇状花を円錐形の総状花序につけます。
長楕円の葉は有柄、色は灰緑色、表は網目状の細かいしわがあります。直立する茎は四稜形で、生長するにつれて、茎の下部は木質化します。
葉はシソ科の特徴である十字対生に付いています。
身近でよく見にするミント類も、シソ科ですから同じ特徴を持っています。今度目にされたら、観察してみてください。
コモンセージの変種には、葉の色の変化等から次の4種があり、薬用として同様に用いられています。↓
セージは「長寿のハーブ」として、老人の記憶力快復に効果があると云われています。属名のsalviaはラテン語のsalvere(治癒する)に由来すると云われ、古代ギリシャやローマでは強壮薬や、咽頭炎のうがい薬として用いられていました。
スパイスとして使われるようになったのは16世紀頃と云われています。独特の香りは、肉の臭みを消すうえ脂肪を分解する効果があり、ドイツ料理やイタリア料理には欠かせないハーブとなっています。
私は、パセリ、セージ、ローズマリー等をよく使います。なんだか聞いたことのあるハーブばかりだなと思われる方は、映画好きなのでしょうね。「卒業」の曲スカボロフェアに出てくるハーブです。
ソーセージもどきを作るのですが、ネーミングがよくないので自称 “カントリー風リーソーセージ" と呼んでいます。同じような材料でシュウマイにもします。こちらはそのものずばりの “スカボロシュウマイ”と名付けています。
作り方は名前にリンクしてありますので、ご覧下さい。作り方は簡単ですから、お試し下さい。
ソーセージの語源と云われるように、肉の臭みを消すばかりでなく、優れた殺菌作用を知っていて利用したのではないでしょうか。
ハーブティーにしたり、冷めたティーでうがいすれば喉の痛みに効果があります。アルコールに浸けたチンキ剤は更年期障害の症状をやわらげます。
花も愉しめ、育てやすいハーブですから鑑賞用ばかりでなく、薬用としてもっと利用して欲しいハーブです。
学 名:Salvia officinalis
科 名:シソ科
生 薬 名:サルビア葉
利用部位:葉⇒夏に採種し、風通しのよい場所で影干しします。
花・葉⇒精油に(水蒸気蒸溜法で)
薬 効:駆風邪、収斂、鎮静。集中力をアップ、殺菌、発汗抑制、胆汁分泌促進
使 用 法:浸剤⇒佐俣浸剤を咽頭炎、歯肉炎のうがい薬に。
花・葉⇒精油に(鎮静効果、集中力アップ。月経不順、更年期障害に)
成 分:精油成分にピネン、シオネール、チモール、タンニンなど。
女性ホルモンのエストロゲンに似た成分を含んでいます。
注 意:・転換発作の引き金になるツジョンを含んでいるので、てんかんの患者は
このハーブは使用しないこと。
・妊娠中は、少量を料理に使う程度にすること。